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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻8号

1999年08月発行

文献概要

プログレス

熱傷急性期治療の最近の流れ

著者: 鈴木幸一郎1 河野匡彦1

所属機関: 1川崎医科大学救急医学

ページ範囲:P.594 - P.594

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 1.熱傷ショックとは

 熱傷の深達度がⅡ度以上で体表の30%以上を占める場合を一般に「重症熱傷」と呼んでいる(重症度分類にはいくつかのものがあるが,Artzの基準がよく用いられる).このような重症熱傷の治療経過は,①熱傷ショック期(受傷後数日)と②ショック回復後熱傷創が閉鎖されるまでのものに大別できる.

 熱傷ショックになると血圧低下,頻脈,頻呼吸,尿量減少とともに代謝性アシドーシスが出現する.深くて広い熱傷(すなわち重症熱傷)では全身の血管壁の透過性が亢進し,循環血液中の血漿成分が組織間腔にもれ出る.その結果,全身に浮腫が出現するとともに,血液は濃縮され(Ht値が高くなる)てhypovolemicとなり,心拍出量が減少する.これが熱傷ショックの主な病態であり,受傷直後に始まり2~3日続く.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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