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講座 発達障害・1
脳機能の発達障害
著者: 穐山富太郎1 福田雅文2 木下節子2 深町亮2 大城昌平3 鶴崎俊哉1
所属機関: 1長崎大学医療技術短期大学部 2長崎大学医学部小児科学教室 3長崎大学医学部附属病院理学療法部
ページ範囲:P.665 - P.673
文献購入ページに移動脳性発達障害児の疫学調査によると,脳性麻痺児,精神遅滞児の発生率1-3)は出生児1,000人に対し,それぞれ1.8~2人,20~30人とされている.
1990年10月から1993年9月までの3年間に出生した,長崎県在住の3~6歳児49,222人を対象とした実態調査4)によると,脳性麻痺,精神遅滞,重症心身障害の有病率は,対象児1,000人に対し,それぞれ2.76人,13.5人,1.6人となっている.このところ,周産期医療の進歩により脳性発達障害児の発生は減少の傾向にあるといわれるが,成熟児からの発生の減少に対し,未熟児からの発生はむしろ増加しており,全体としては減少していない.
近年,脳の可塑性に関する研究知見5,6)から,これら脳性発達障害児に対する超早期療育の有効性がますます重要視されるに至っている.
新生児期からの療育開始のためには,胎児期も含めた新生児の脳の成熟過程を理解するとともに,それらに対応した臨床的評価が欠かせない.評価の対象は,自発運動,原始反射,新生児行動,姿勢反応などである.
以下,脳障害の予防および早期評価・療育の視点から新生児の脳の成熟過程,胎生期から新生児期にかけての行動発達,原始反射と自発運動,姿勢緊張・反応,超早期診断・療育について順次述べる.
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