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学会印象記 第33回日本作業療法学会
来るべき時代に向けた新しい作業療法の胎動を実感
著者: 對馬均1
所属機関: 1弘前大学医療技術短期大学部理学療法学科
ページ範囲:P.690 - P.691
文献購入ページに移動 学会概観
去る6月17日から23日までの3日間,弘前市において「高齢者・障害者の自立生活~その支援~」をメインテーマに,第33回日本作業療法学会が開催された.この3日間で発表された一般演題は415を数え,学会テーマに焦点を合わせた4つの特別講演,学会長講演のほか,教育講演や一般市民を対象とした公開シンポジウムも設定されるなど,中身の濃いプログラムが用意されていた.そのため,学会の準備・運営を担当した青森県作業療法士会の最大の課題は会場の確保であったようだ.しかし,準備委員会の努力により,名勝弘前公園を取り囲む形で3つの会場が設定され,会場問の移動用にシャトルバスを運行することで,何とか開催にこぎつけたとのことであった.
学会テーマとして掲げられた「高齢者・障害者の自立生活~その支援~」は,世紀末の変革期にある我が国の社会情勢を考えると,まさにタイムリーなテーマだったといえよう.開会式の挨拶において,日本作業療法士協会会長寺山久美子氏は「長寿を如何にしたら元気に自立し充実して過ごせるか」を大きな課題としてとらえ,作業療法の立場からその「自立への処方箋」について学術的に検証していくことの意義を説いた.また学会長の清宮良昭氏は,「介護」ではなく「自立生活」とした意図が,高齢者・障害者の主体性に視点を置き,在宅生活の中で困ったときにその解決を導くことを作業療法の中核ととらえたためであることを強調した.そして,これまでの病院や施設中心の作業療法では家庭に密着した生活能力の指導を十分行えないのが実情であったが,公的介護保険導入により,生活に密着した作業療法を行う環境が整い,高齢者の自立支援が確立することを願うと結んだ.
去る6月17日から23日までの3日間,弘前市において「高齢者・障害者の自立生活~その支援~」をメインテーマに,第33回日本作業療法学会が開催された.この3日間で発表された一般演題は415を数え,学会テーマに焦点を合わせた4つの特別講演,学会長講演のほか,教育講演や一般市民を対象とした公開シンポジウムも設定されるなど,中身の濃いプログラムが用意されていた.そのため,学会の準備・運営を担当した青森県作業療法士会の最大の課題は会場の確保であったようだ.しかし,準備委員会の努力により,名勝弘前公園を取り囲む形で3つの会場が設定され,会場問の移動用にシャトルバスを運行することで,何とか開催にこぎつけたとのことであった.
学会テーマとして掲げられた「高齢者・障害者の自立生活~その支援~」は,世紀末の変革期にある我が国の社会情勢を考えると,まさにタイムリーなテーマだったといえよう.開会式の挨拶において,日本作業療法士協会会長寺山久美子氏は「長寿を如何にしたら元気に自立し充実して過ごせるか」を大きな課題としてとらえ,作業療法の立場からその「自立への処方箋」について学術的に検証していくことの意義を説いた.また学会長の清宮良昭氏は,「介護」ではなく「自立生活」とした意図が,高齢者・障害者の主体性に視点を置き,在宅生活の中で困ったときにその解決を導くことを作業療法の中核ととらえたためであることを強調した.そして,これまでの病院や施設中心の作業療法では家庭に密着した生活能力の指導を十分行えないのが実情であったが,公的介護保険導入により,生活に密着した作業療法を行う環境が整い,高齢者の自立支援が確立することを願うと結んだ.
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