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原著
短時間フーリエ変換(STFT)を用いた歩行時中殿筋の量・質的評価の試み―健常者と変形性股関節症患者の時間周波数特性
著者: 加藤浩1 藤野英次郎1 上島隆秀1 城石晴子1 時枝美貴1 高杉紳一郎1 神宮寺誠也1 野口康男2 岩本幸英2
所属機関: 1九州大学医学部附属病院リハビリテーション部 2九州大学大学院医学系研究科整形外科
ページ範囲:P.53 - P.59
文献購入ページに移動筋の定量的評価法として表面筋電図(以下EMG)はよく知られている.そして量的評価としての積分筋電図解析(以下,積分解析)や質的評価としての周波数解析などが行われている.特に後者では平均周波数を算出し,主に静的状態で筋疲労や運動単位の活動様式の推定が行われている1-2).
しかし,高速フーリエ変換(fast Fourier transform:以下FFT)は解析手法上,EMG波形の信号を周波数情報のみに変換するため,ある特定時間のパワースペクトルやそのパワースペクトルの時間的変化をとらえることは困難である.しかし動的な身体活動の解析においては,筋の質的変化がどの時点(時間)で起きたかをとらえることは,臨床上高い関心事項であり,時間情報は非常に重要である.
そこで今回,この欠点を補うべく周波数情報と時間情報を同時に解析できる短時間フーリエ変換(shorttime Fourier transform:以下STFT)と呼ばれる手法を用いることで,従来のFFTでは困難であった時間周波数特性を明らかにすることを試みた(図1).
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