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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル34巻11号

2000年11月発行

文献概要

特集 脳卒中のバランス障害

脳卒中片麻痺患者のバランス機能と歩容

著者: 福士宏紀1 諸橋勇1 高橋明1

所属機関: 1いわてリハビリテーションセンターリハビリテーション部

ページ範囲:P.777 - P.783

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 1.はじめに

 歩行は地球上で人間が行う移動運動のなかで最も自然なものであり,また生活のあらゆる面で不可欠な運動である1).脳卒中患者の関心の多くが「再び歩けるか」という点に注がれ,臨床場面において歩行の獲得に多くの時間が費やされるのもこのためであろう.

 脳卒中患者の姿勢や歩行は神経学的病変に起因する特徴を呈するが,脳病変の直接的結果あるいは間接的に起こる問題,損傷に対する代償として起こる問題は個人差が非常に大きいことから,治療の根幹にかかわる障害構造を理解することは非常に複雑な過程となる.そのため適切な治療法の選択を誤ったり,治療期間が遅延してしまうといった事態が非常に起こりやすい.歩行という移動手段において最も重要なものは安定性に関する能力であり,患者がどのように安定を獲得しているかという視点から歩行障害を理解することは治療戦略を考えるうえで非常に重要なことと思われる.

 本稿では脳卒中片麻痺患者のバランス機能を制約する因子について検討し,片麻痺患者の姿勢や歩容との関連について考察する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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