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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル34巻11号

2000年11月発行

文献概要

特集 脳卒中のバランス障害

脳卒中のバランス障害と高次神経機能障害

著者: 髙杉潤1 沼田憲治2

所属機関: 1千葉県千葉リハビリテーションセンター 2昭和大学医療短期大学理学療法学科

ページ範囲:P.784 - P.790

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 1.はじめに

 近年,理学療法の分野でも高次神経機能障害の話題が多く取り沙汰されている印象を受ける.高次神経機能障害から波及する運動機能の影響について,その関連性の高さが明らかにされてきたことが主な要因であろう.

 脳卒中患者のバランス障害の原因ひとつをみても,単に運動麻痺や感覚障害,廃用症候群だけでは説明しきれない難解な問題が実に多いことに気づく.このような場合,高次神経機能障害と関連づけることで解決の糸口を見い出せることも少なくない.中枢神経疾患患者に対する理学療法をより有効なものにするために脳機能全体を含めた総合的な評価がなされることが重要と考える.

 脳卒中のバランス障害には様々な要因が関与するが,本稿では高次神経機能障害による影響について主にどのような徴候があるのかを述べる.アプローチについては,筆者らの臨床上の工夫点も一部触れながら,諸家の報告を紹介することにしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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