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講座 運動発達障害・5
運動発達障害に対する理学療法―重症心身障害児の療育
著者: 金子断行1
所属機関: 1心身障害児総合医療療育センターリハビリテーション室
ページ範囲:P.806 - P.811
文献購入ページに移動 重症心身障害児治療の現状
1.重症心身障害児の発達
重症心身障害をもつ子どもの発達を規定するのは,先天的要因(遺伝,胎生期からの呼吸や栄養の条件など)や直接脳障害の原因となる感染症や外傷など後天的要因だけにとどまらない.それらの障害が内在するか否かを問わず,環境刺激との相関で発達は進む.すなわち,胎生期から出生後の時間的経過のなかで,主体と環境との相互作用を通じて児は発達を遂げるのである.
したがって,貧しい環境刺激のもとでは,健常児でさえ十分に能力を開花できない.また,内発的な力が乏しい重症心身障害児では,通常の刺激下にあっても歪んだ発達を遂げる1).そのため,彼らには特別に配慮された環境設定(療育)が必要であり,理学療法士には,その療育の場で姿勢運動に対する治療介入を通して,育児に対する専門的な援助を行うことが求められる.
1.重症心身障害児の発達
重症心身障害をもつ子どもの発達を規定するのは,先天的要因(遺伝,胎生期からの呼吸や栄養の条件など)や直接脳障害の原因となる感染症や外傷など後天的要因だけにとどまらない.それらの障害が内在するか否かを問わず,環境刺激との相関で発達は進む.すなわち,胎生期から出生後の時間的経過のなかで,主体と環境との相互作用を通じて児は発達を遂げるのである.
したがって,貧しい環境刺激のもとでは,健常児でさえ十分に能力を開花できない.また,内発的な力が乏しい重症心身障害児では,通常の刺激下にあっても歪んだ発達を遂げる1).そのため,彼らには特別に配慮された環境設定(療育)が必要であり,理学療法士には,その療育の場で姿勢運動に対する治療介入を通して,育児に対する専門的な援助を行うことが求められる.
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