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プログレス
PET(positron emission tomography)でみる脊髄の機能
著者: 吉澤今日子1
所属機関: 1福井医科大学医学部整形外科学講座
ページ範囲:P.896 - P.898
文献購入ページに移動一方,PET(positron emission tomography)は,ポジトロン(陽電子)を放出するアイソトープで標識された薬剤を投与し,その体内分布をPET装置を用いて映像化する機能診断法である.全身の各臓器,組織の血流や代謝の変化が断層像として表わされ,更にはその定量化が可能である.通常の核医学検査と比較すれば,①感度と分解能が優れている,②定量性が高い,③被検者の被爆線量が少ない,④体内で代謝される生化学,生理学的に重要な物質を直接標識できる,などがその利点である.筆者らは脊髄,とりわけ頚髄の機能評価を18F-2-fluoro-deoxyglucose(18FDG)-PETで行い,特に頸髄症や頸髄損傷における残存脊髄機能の評価,予後や可塑性の評価7,11,12)を行ってきたので,その方法論や結果,将来的展望にも言及しながら論述する.
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