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入門講座 人工呼吸器管理下の患者の理学療法・2
人工呼吸器装着患者の理学療法
著者: 山﨑裕司1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.113 - P.118
文献購入ページに移動 Ⅰ.はじめに
慢性呼吸不全に起因した長期人工呼吸器装着患者の病態は単に基礎疾患の増悪や呼吸機能の低下にとどまらない.入院前からの身体非活動による体力低下に加え,人工呼吸器装着後の安静臥床によって廃用症候群の進行は深刻である.高齢者では1週間程度の臥床によって容易に起居移動動作が障害される.加えて,挿管や気管切開(気切)によってコミュニケーションは障害され,患者の精神状態は極めて不安定な状態におかれる.不穏な状態に陥った患者は呼吸促迫となりやすく,ウィーニングを障害する.不穏行動が続けば抑制や再度の鎮静化(セデーション)が行われ,更に廃用症候群が積み重なるといった悪循環を形成する.
このような点から,筆者は人工呼吸器装着中であっても,十分な換気補助による呼吸苦の除去を行った上で,廃用症候群の予防・改善および心理的援助を目的とした理学療法を早期に導入すべきと考えている.
本稿では,慢性呼吸不全患者の急性増悪に伴う人工呼吸器装着患者を射程においた理学療法について解説する.
慢性呼吸不全に起因した長期人工呼吸器装着患者の病態は単に基礎疾患の増悪や呼吸機能の低下にとどまらない.入院前からの身体非活動による体力低下に加え,人工呼吸器装着後の安静臥床によって廃用症候群の進行は深刻である.高齢者では1週間程度の臥床によって容易に起居移動動作が障害される.加えて,挿管や気管切開(気切)によってコミュニケーションは障害され,患者の精神状態は極めて不安定な状態におかれる.不穏な状態に陥った患者は呼吸促迫となりやすく,ウィーニングを障害する.不穏行動が続けば抑制や再度の鎮静化(セデーション)が行われ,更に廃用症候群が積み重なるといった悪循環を形成する.
このような点から,筆者は人工呼吸器装着中であっても,十分な換気補助による呼吸苦の除去を行った上で,廃用症候群の予防・改善および心理的援助を目的とした理学療法を早期に導入すべきと考えている.
本稿では,慢性呼吸不全患者の急性増悪に伴う人工呼吸器装着患者を射程においた理学療法について解説する.
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