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肺葉切除後の運動時心肺機能の変化と運動療法の意義
著者: 伊藤健一1 川村博文1 山本昌樹1 山本博司1 石田健司1 山本彰2
所属機関: 1高知医科大学附属病院リハビリテーション部 2高知医科大学附属病院第2外科
ページ範囲:P.131 - P.134
文献購入ページに移動近年,高齢者人口の増加に伴い肺癌患者の数が増加し,肺癌に対する外科的治療の対象が高齢者にまで拡大してきている.周知のごとく,周術期における高齢者の肺合併症発生率は高く,この合併症発生を予防する観点より術前,そして術後早期からの理学療法介入が望ましいことが諸家1-3)より報告されてきた.
回復期や慢性期の肺葉切除患者においては,術後肺実質の損失と肺血管床の減少により心肺機能の低下をきたすことが報告され4-6),活動レベルの低下が指摘されている.更に当院の肺葉切除術を受けた患者達からは「肺を切除したから以前のような生活や運動はできないですよね」といった言葉をよく耳にする.このような誤解を抱き,活動量を必要以上に規制し,満足いくQOLが得られていないケースは比較的多いように思われる.
Resnikoffら7)はこのような症例に対し理学療法を実施し,社会復帰に導くことが重要であると述べている.しかし,肺血管床予備能が低下している症例に高度の右心負荷が加わる場合,右心不全を惹起する危険性があることを櫛田ら4)は指摘している.したがって,我々理学療法士が肺葉切除術後の運動耐容能の変化特性を把握しておくことは重要と思われる.
そこで,我々は継続的にフォローできた肺葉切除患者(ともに肺一葉切除)2例の運動耐容能の経時的変化に着目し,考察したので報告する.
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