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特集 認知と理学療法
認知障害に対する理学療法
著者: 網本和1
所属機関: 1東京都立保健科学大学理学療法学科
ページ範囲:P.305 - P.311
文献購入ページに移動 1.認知障害をめぐって
認知障害の理学療法について,すぐさま明晰な形で想起し得るものはそれほど多くはないであろう.なぜなら,認知障害(cognitive dysfunction)という概念が包含している範囲は,いわゆる失認症状にとどまらず,意識障害,注意障害,記憶障害,知的機能障害,情動障害など極めて広範なものだからである1).
また,これらの評価と治療に関わる理論的背景としての,実験神経心理学と認知心理学の出会いに相当の時間が費やされたため2)とも考えられる.更に認知リハビリテーションの技法の開発やその成果についての報告が近年多くなされている3-6)にもかかわらず,理学療法の領域では,ごく最近になって注目を集めてきた7,8)ということが背景になっている.
認知障害の理学療法について,すぐさま明晰な形で想起し得るものはそれほど多くはないであろう.なぜなら,認知障害(cognitive dysfunction)という概念が包含している範囲は,いわゆる失認症状にとどまらず,意識障害,注意障害,記憶障害,知的機能障害,情動障害など極めて広範なものだからである1).
また,これらの評価と治療に関わる理論的背景としての,実験神経心理学と認知心理学の出会いに相当の時間が費やされたため2)とも考えられる.更に認知リハビリテーションの技法の開発やその成果についての報告が近年多くなされている3-6)にもかかわらず,理学療法の領域では,ごく最近になって注目を集めてきた7,8)ということが背景になっている.
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