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胸部食道癌根治術後早期の咳嗽能力に与える胸部理学療法の影響―術式による差の検討
著者: 大谷真由美1 大杉治司2 小池達也1
所属機関: 1大阪市立大学医学部附属病院リハビリテーション部 2大阪市立大学医学部附属病院第二外科
ページ範囲:P.435 - P.438
文献購入ページに移動胸部食道癌根治術では,開胸開腹に加え,頸・胸・腹部の徹底したリンパ節郭清による過大な手術侵襲のため,術後,呼吸機能障害をきたしやすい1).更に,反回神経周囲の郭清に伴う同神経の麻痺や気道周囲の郭清により咳嗽不全に陥りやすく,これが術後合併症の一因とされている2).
筆者らはこれまでに,咳嗽力の低下,無気肺,肺炎を予防する目的で実施された胸部理学療法(chest physical therapy;以下CPT)の効果について,呼吸機能の面から検討してきた1).最近,胸腔鏡を用いた食道癌手術も行われるようになり,一般的には従来の開胸式手術に比して,侵襲は少ないと考えられている.しかし,呼吸機能面から両手術を比較した報告は存在しない.そこで,胸腔鏡下手術と開胸式手術において,CPTの効果に差が生じるか否かを検討した.
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