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1ページ講座 介護保険のポイント・1
介護保険制度
著者: 香川幸次郎1
所属機関: 1岡山県立大学保健福祉学部保健福祉学科
ページ範囲:P.58 - P.58
文献購入ページに移動 長寿,高齢化の進展とともに,老後の生活不安として「自分や配偶者の身体が虚弱になり病気がちになること」「自分や配偶者が寝たきりや痴呆性老人になり介護が必要になったとき」が世論調査の上位を占めるなど,介護が老後の最大の不安要因となっている.こうした背景として,要介護高齢者の増加や介護期間の長期化,核家族化や女性の社会進出に伴う家族介護機能の低下等があげられ,介護を家族の問題としてではなく社会で支える介護の社会化が強く求められてきた.しかし,これまでの高齢者介護は家族の肩に負わされ,サービスの提供も老人福祉や老人保健,老人医療と縦割り行政的な対応がなされ,同時に医療費の圧迫等が指摘されてきた.こうした弊害を是正し,①老後の最大の不安要因である介護を社会全体で支える仕組みを創ること,②現在の縦割りの制度を再編成し,利用者の選択により民間を含む多様なサービス主体から,保健・医療・福祉にわたる介護サービスが総合的・効率的に提供されるサービス体系を確立すること,③今後増大する介護費用を賄う財源として,サービス需給の権利性の確保,給付と負担の対応関係が明確で,負担に対する理解が得やすい社会保険方式を採用することを基本的な考え方として,介護保険制度が創設された.
介護保険法は,加齢に伴って生ずる心身の変化により要介護状態になった者が,その有する能力に応じ自立した生活を営むことができるよう,必要な保健医療サービスおよび福祉サービスを給付することを目的として,平成9年12月17日に公布された法律である.
介護保険法は,加齢に伴って生ずる心身の変化により要介護状態になった者が,その有する能力に応じ自立した生活を営むことができるよう,必要な保健医療サービスおよび福祉サービスを給付することを目的として,平成9年12月17日に公布された法律である.
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