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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻10号

2001年10月発行

文献概要

特集 リスクマネジメント

当院理学療法部門におけるリスクマネジメント(2)

著者: 谷内幸喜1

所属機関: 1医療法人財団尚温会伊予病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.711 - P.714

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はじめに

 「医療事故」という言葉が,ここ数年ニュース・新聞などのマスコミからしばしば聞かれるようになってきた.このことは最近,医療事故が多発していることを意味するのだろうか?おそらく医療現場に身を置く者なら,誰しもそのようには思っていないだろう.

 医療事故そのものは,医学がこの世に誕生して以来,大かれ少なかれ常に存在していたものと推測される.それが最近になって目立ってきたとしたら,これまで医療現場(病院)の特殊な権威主義的組織構造がそれらを隠蔽してきたといえないだろうか.

 日本経済の構造的破綻を背景に,近年,一貫して医療費抑制政策がとられ,医療の抜本的改革を求める声が大きくなっている.病院組織もその流れを回避することはできず,競争社会のなかに組み入れられ,従来型の権威主義的組織は崩壊しつつある.こうした状況の下で,医療現場でも「サービス」という言葉がようやく定着しはじめ,接遇,環境整備,事故対策といったことに組織的に取り組むようになってきている.

 当院においても,地域住民を視野に入れながら日本の社会保障の一翼を担うべく,ここ数年,医療の質を向上させ,それを全国に発信していける施設づくりを目標に院内各部署でシステムづくりに努めている(図1,次ページ).そして共通理念の下で進むべき方向性や目標を定め,国際標準化機構(ISO)9001を取得した.

 本稿では,その一部である当院のリスクマネジメントシステムを紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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