icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻11号

2001年11月発行

文献概要

特集 症例報告

高齢者のリハビリテーションゴール設定を考える

著者: 吉井智晴1

所属機関: 1高齢者サービスステーションいなぎ正吉苑リハビリテーション部

ページ範囲:P.799 - P.802

文献購入ページに移動
はじめに

 高齢者のリハビリテーションのゴール設定では,疾患そのものの特性だけでなく,痴呆の程度,高齢者のおかれている環境や介護者の状態に左右される場面が多くみられる.骨折等で一度入院すると,その後の生活に復帰するまでに多くの時間がかかる1).入院中は慣れない環境で高齢者の能力を最大限に発揮できないためゴールが低く設定されがちで2),退院してから時間をかけて改善してくるということがある.また,慢性疾患で病歴が長くなると,ゴール設定が暖昧になり,単調なリハビリテーションになりやすい.

 当苑では,福祉の基本理念である「自立への援助」を目標に,年齢に関係なく,本人のニーズと心身の状況に合わせて,積極的に理学療法を実施している.今回は入院中に十分な理学療法が行えず,誰もが「車いすゴール」と思った高齢者が,元のADLレベルまで回復した症例と慢性期片麻痺患者の5年間の筋力強化を中心とした理学療法で効果が得られた症例について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?