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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻11号

2001年11月発行

文献概要

書評

―奈良勲(編)―理学療法のとらえかた Clinical Reasoning

著者: 嶋田智明1

所属機関: 1神戸大学医学部保健学科

ページ範囲:P.849 - P.849

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 診療行為を科学的に検証する動きは,1970年代よりアメリカで統計学を基礎に発展した.さらに定量的に医療従事者が行う診療の意思決定分析のプロセスを検証する手法が開発された.すなわち,医療従事者の勘や経験に基づいているとされる診療がどのような定量的評価にあるかを検証してきたのである.これは他流試合を通しての医療従事者の臨床能力を向上させようという動きでもあった.

 その一つ,Clinical Reasoning(クリニカル・リーズニング:臨床的推論)は多くの医学的情報を収集・分析し,これを解釈・統合することで最終的に安全で合理的かつ効果的な診療行為に至るための臨床実践の基盤となる洞察プロセスであると考えられる.これは何の疑問もなく受け入れられている一般的な理論や手技を応用する際の危険性を軽減するのに役立つ.またこの理論は,臨床所見と医学的知識,およびそれぞれから出てくる判断や治療における誤りを是正するのに重要であり,きちっとした臨床的推論を欠く臨床実践は単なる技術的な作業といっても過言ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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