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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻2号

2001年02月発行

文献概要

入門講座 生活習慣病・2

肥満症

著者: 深川光司1 坂田利家1

所属機関: 1大分医科大学医学部第一内科

ページ範囲:P.125 - P.130

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 1.はじめに

 肥満は身体に脂肪(体脂肪)が過剰に蓄積した状態である.体脂肪の寡多を判定するには,国際的にも通用する体容量指数(BMI;body mass index)注1)が広く一般に用いられている.肥満を摂取カロリーと消費カロリーのバランスから考えると,摂取カロリーの過剰または消費カロリーの低下から,1日に消費する以上の余剰なカロリーが体脂肪として蓄積され肥満になる.運動障害があれば当然運動障害のない人と比べて,消費カロリーの低下が生じやすく,それだけ肥満になりやすいと考えられる.

 肥満はすべて健康障害につながるのかというと,必ずしもそうではない.糖尿病,高血圧症,虚血性心臓病といったコモン・ディジーズ(common disease)を合併している肥満,あるいは合併する危険性の高い内臓脂肪注2)型肥満や食行動異常を伴う肥満などは治療が必要になるので,このような肥満を肥満症として区別する.

 運動障害のある患者にとって,肥満は運動機能回復の障害になる.その場合,治療上も減量が必須となり,肥満症として取り扱われる.運動障害のある肥満症患者が減量するうえで,運動障害を有していることに対する配慮が必要になる.本稿ではまず,肥満症の定義と成因について述べ,次に運動障害を有する肥満症の治療について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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