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特集 理学療法におけるパラダイム転換
疼痛の機序と治療におけるパラダイム転換
著者: 鈴木重行1 平野幸伸2 長谷川祐一3
所属機関: 1名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻 2愛知県立尾張病院リハビリテーション科 3城見整形外科クリニック
ページ範囲:P.239 - P.246
文献購入ページに移動疼痛は生体防御系として最も古い感覚神経系として知られている.しかしながら,疼痛の信号を伝達する神経線維は生体のなかでも最も細い神経系が司っているため,その反応は神経生理学的,免疫学的,組織学的に詳細に解明されていない段階である.更に,理学療法のごとく,疼痛反応が生体に起こっている状態で,外来性に何らかの刺激を与えたときの生体反応のメカニズムも十分に解っているとはいい難い,しかしながら,このような状態のなかでも,我々は疼痛で苦しむ患者に理学療法を提供し続けなければならない.幸いにして,各種実験手法の進歩により,疼痛周辺の事柄についても多くのことが解明されつつある.したがって,我々は疼痛周辺の知識を今一度整理し,事実を明確にし,疼痛に対する理学療法についてできる限り根拠に基づいた治療法を展開するとともに,臨床で新しい現象を発見したときでも,基礎医学で解明されている事実に立ち返り,理論展開するよう心がけなければならない.
本稿では,現時点で解明されている疼痛周辺の機序と,理学療法領域では今まで気づかれなかった治療法も紹介しながら,理学療法の対象となる疼痛に対する理学療法の流れを考えたい.
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