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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻4号

2001年04月発行

文献概要

入門講座 生活習慣病・4

高血圧症

著者: 荒川規矩男1

所属機関: 1福岡大学

ページ範囲:P.265 - P.269

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 1.高血圧症と血圧値分類

 血圧とは,心臓から送り出された血液が血管壁に与える圧のことで,心臓が収縮し,血液が血管に送り出された時の圧(収縮期圧)が正常では120mmHg前後,心臓が拡張した時でもまだ血管内には圧(拡張期圧)が70mmHg前後残っている.

 精神的に興奮したり,肉体的に力んだりすると,血圧は一過性に上がるが,それがいつまでも上がりっぱなしで,収縮期圧が140mmHg,拡張期圧が90mmHgの線をいずれか一方でも越えると,高血圧症という.これは1993年にWHO(国際保健機構)とISH(国際高血圧学会)が共同して,それまでの定義を改訂して決めたもので,今日では世界中でこれが基準となっている(図1)1).そして収縮期圧が20ミリずつあがるごとに軽症→中等症→重症となり,拡張期圧のほうも10ミリずつ上がるごとに同様にグレードアップする1)

 一方,収縮期圧140/拡張期圧90mmHg未満であれば正常血圧であることも1993年の改訂以来変わりないが,そのなかの高血圧の直下の区域(すなわち,収縮期圧が139~130mmHg,拡張期圧が89~85mmHg)を「正常高値」と呼ぶこととなった2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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