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1ページ講座 介護保険のポイント・5
要介護認定
著者: 香川幸次郎1
所属機関: 1岡山県立大学保健福祉学部保健福祉学科
ページ範囲:P.356 - P.356
文献購入ページに移動要介護認定は,介護サービスの必要度を判定するものであり,被保険者の病状や重症度と要介護度とは必ずしも一致するものではない.また,高齢者の障害の程度や身体機能の程度を示したものでもない.介護認定はどれだけの介護が必要かを判断するものであり,「介護者の手間の程度」を表している.それゆえ,介護の手間を表す「ものさし」が必要であり,要介護認定等基準時間(以下,基準時間と略)がこの「ものさし」として用いられている.基準時間を推定するための基礎研究は1995年から開始され,特別養護老人ホーム,老人保健施設,介護力強化病院の各職員がどのようなサービスをどれくらい提供しているかを48時間にわたり調べた1分間タイムスタディのデータと,そのサービスを受けた入所・入院中の高齢者の身体機能や知的状態等のデータを組み合わせ,導き出されたものである.この結果をもとに要介護認定プログラムが作成され,平成11年度のモデル事業で検証作業が行われた.一次判定で用いられているコンピュータプログラムは,モデル事業において,調査結果の些細な変更が要介護度を変化させるなどの指摘を受け,修正が行われたものである.
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