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特集 筋力再検討
高齢者筋力の標準化と増強効果
著者: 久保晃1 荒畑和美2
所属機関: 1国際医療福祉大学保健学部理学療法学科 2東京都老人医療センター理学療法科
ページ範囲:P.395 - P.401
文献購入ページに移動国際長寿センターの資料によると,日本人が80歳まで生存する割合は男性では48.2%,女性では70.2%に達し,世界最高であるという.このため高齢者の筋力や筋機能には社会的な関心が存在する.
亀山1)は検査所見や剖検例の病変や臨床徴候からみて,74歳以下の年齢層は身体的にも十分に余力があり,年の功の優れた判断力や統率力を生かしてよく社会に貢献できる年齢であるとしている.そして,65歳以上は一般に高齢者の範疇に入るが,年齢の分類は時代や国情によって変化するものであろうと指摘している.
これからは75歳未満の前期高齢人口の社会貢献がキーポイントとなる一方,75歳以上の後期高齢人口では,痴呆の発症率が高く介護条件はきびしくなる.このため高齢者を65歳以上と十把一絡げにするのでなく,75歳を境に前期と後期に分けて対策を進める必要がある.本稿の前半では,比較的活動性の保たれている高齢者について筋力を前期高齢者と後期高齢者に分けて述べ,後半では重症な後期高齢患者の症例報告を試みた.
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