理学療法ジャーナル35巻6号

2001年06月発行

書評

―内山靖（編集）―標準理学療法学　理学療法研究法

著者： 武富由雄¹

所属機関： ¹愛仁会リハビリテーション病院

ページ範囲：P.422 - P.422

　平成3年11月に開催された第31回近畿理学療法士学会のシンポジウム「PTの明日を考えるPartⅡ」において，「研究」がテーマとして採り上げられた．私はこの学会で明日の理学療法の研究の進展に否定的な発言をした．当時，理学療法の研究を行うための土壌が十分に備わっていなかったからであった．理学療法士が誕生して25年，全国の理学療法士が9,200名余，日本理学療法士学会での学会発表演題数が400にも満たない数であった．

　平成12年，日本理学療法士協会の会員数が20,000名を越え，第35回の学会（鹿児島市）での発表演題数は800題と倍増するに至った．理学療法士の研究発表は専門領域だけにとどまらず，自然科学，基礎医学にと，学際領域に踏み込んだ研究へと広がりを見せてきた．