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特集 脊髄損傷―新しい下肢装具の活用
不全頸髄損傷者における下肢装具と歩行練習
著者: 畠中泰司1 上杉上1 小西聡宏1 小野恵子1 吉川奈美子1 小林美恵1 野田裕太1 安藤徳彦2
所属機関: 1横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科 2横浜市立大学医学部附属市民総合医療センターリハビリテーション科
ページ範囲:P.453 - P.459
文献購入ページに移動人口の高齢化に伴い高齢者の脊髄損傷が注目され,なかでも頸髄・頸椎損傷による不全四肢麻痺のリハビリテーションについて最近よく報告されるようになってきている1-7).そして,その報告の大半を疫学調査や機能の予後およびその予測に関するものが占めている.それらは,高齢者は軽微な外傷等で脊髄損傷を生じやすく四肢の不全麻痺を呈するものが多いが,麻痺の程度は軽度から重度まで幅広く,障害の程度は画一的でなく様々な障害像を示すといわれている.重度な麻痺が生じた場合は,加齢による医学的問題8)も加わり適切な対応がなされなければ寝たきり状態になりやすい.
しかし障害の程度にも関係するが,機能的予後は比較的良好で,中心性頸髄損傷例のように歩行を獲得する症例が多く適切な対応が求められている.水落らは不全頸髄損傷者の移動能力の帰結について検討し入院期間中67.3%に移動能力の改善が得られ,退院後の継続的リハビリテーションにより約70%が実用的歩行能力を獲得したと報告している7).
筆者に与えられたテーマは,歩行獲得に向けた理学療法の進め方やその指導方法と歩行練習における下肢装具の利用について論述することである.そこで今回は,外傷性脊髄損傷に非外傷性脊髄損傷を加えてこの点を検討させていただく.
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