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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻8号

2001年08月発行

文献概要

特集 病棟理学療法

一般病院における病棟理学療法の役割と今後の課題

著者: 湯元均1

所属機関: 1時計台病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.537 - P.541

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はじめに

 病棟生活のなかで実施されている理学療法の目的は,合併症予防,廃用予防,機能回復,ADL改善などケースの状況・医療機関の環境等により様々であると考える.しかし,病棟理学療法は,単にその実施空間が病棟ということではなく,目的に即した実施空間が病棟であり,訓練室以外の共有空間であるということと考える.

 以前は,訓練室以外での理学療法は保険請求の対象外であったが,その後実施されてきた理学療法の効果が認められ病室・病棟での理学療法も可能となった.また,その広がりは在宅にも向き,生活場所となる自宅ばかりでなく,屋外での移動練習や公共機関の利用練習などにも広がっていった.これらの流れは,先人たちの「リハビリテーション・理学療法は訓練室で行うもの」からの脱却による「より実生活に即した空間での実践」への変革の努力の結果であると捉えている.

 今後の医療情勢の変化から,これから実施されてくるであろう診療報酬の診断群別包括支払い方式(DRG-PPS)を見越し,より効率よい医療の展開が求められる.

 これからは,クリティカルパスの整備により,治療のための安静期間に生じた体力低下などが回復した後に退院するというケースはごく僅かになり,またあわせて,各種外科系手術前後からの積極的な理学療法の関わりも必要とされてくると考える.これらの背景を見据え,現状との対比のなかで病棟理学療法の課題についても触れることにしたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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