icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻8号

2001年08月発行

文献概要

書評

―稲川利光(著)―生き生きケア選書 老人ケアの元気ぐすり―“心の元気”を吹き込む「ケアの元気ぐすり」 フリーアクセス

著者: 村上重紀1

所属機関: 1御調町保健福祉総合施設付属リハセンター

ページ範囲:P.566 - P.566

文献購入ページに移動
 「身体拘束ゼロへの手引き」が厚生労働省から発行された.介護保険法の施行に伴い,介護保険施設におけるケアの質の向上を促すためである.「拘束」とは貧しいケアの象徴である.だから,「なにが,またどこまでが拘束なのか?」という議論はまるで意味がない.さまざまな理由や形で行われている「拘束」の実態を直視し,その検証を通して,高齢者の人権やケアの意味を問い直す意識と,現場での「拘束ゼロ」への取り組みこそが肝要なのだ.本書『「老人ケアの元気ぐすり』はそうしたケアの意味を,しかし理屈ではなく身をもって示してくれる楽しい実践レポートであり,情感豊かなリハビリエッセイである.

 著者の稲川利光さんはPT(理学療法士)として病院・地域で活躍し,その後医師を目指して医科大学に入学し,40歳を超えてから医師になった人である.その経歴も異色だが,もともと人間が異色なのだろう.そのことはPT時代に,「ET」(Entertainment Therapyの略)という新語を掲げ,「つらく苦しい機能訓練ではなく,明るく楽しいETを」と提唱し,お年寄り,家族,セラピストが共に楽しみながらすすめる新しいリハビリの形,いわゆる“遊びリテーション”の先駆的な実践を積み重ねてきたことからもうかがわれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら