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プログレス
歩行分析の最近の話題
著者: 江原義弘1
所属機関: 1神奈川県総合リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.572 - P.574
文献購入ページに移動1.計測結果がCGでリアルに表現される
この50年間の歴史からいうと,動作分析・歩行分析の計測技術は労働科学,整形外科,リハビリテーション,スポーツの分野などにおいてこつこつと地道に築き上げられてきたのであるが,この数年ゲーム産業や映画産業がこの技術を活用しだして,状況が一変してしまった.ニーズが大きく,開発企業が競争で最新技術を投入してあっという間に芸術的にまで強力な動作分析のツール(モーションキャプチャシステム)を市販しだしたのである.一世代前の機器しか知らない方は是非展示場などでご覧いただくことを薦める.
カメラ機器の校正(キャリブレーション)は数点のマーカを添付したフレームを設置して基準位置を覚え込ませたあと,マーカをつけた棒を視野内で振り回すだけで簡単に終了する.身体につけるマーカは30以上あっても十分実用でき,マーカ認識は最初手作業で認識したあとは以後の試行はほとんど自動で処理ができる.したがって,被検者が歩き終わった時点では3次元処理,マーカ認識までが終了していることになる.従来は実際上不可能であった複数の被検者の同時計測も実用レベルになっている.したがって,介護動作の分析などにも応用が広がるであろう.
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