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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル35巻8号

2001年08月発行

文献概要

あんてな

勤労者医療と一次予防

著者: 半田一登1

所属機関: 1九州労災病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.576 - P.577

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 今と将来を語るためには過去を見つめ直す必要があります.現在,労災病院は全国に39施設を展開していますが,その始まりは昭和24年の九州労災病院設立にまで溯ります.設立目的はその名のように労災患者の治療で,設立当初は労災患者が入院患者の90%以上(ただし,ベッド数34床)を占めていました.九州労災病院の資料によりますと設立から10年が経過した昭和33年には労災患者は80%を割り込んでいます.これは単に労災病院に労災患者が来なくなったということではなく,就労環境が徐々に整備されていった結果と言えます.また,昭和33年には理学診療科に職能療法室(資料によるとこの頃から作業療法という単語が使われ始めている),回復訓練室(後に理学療法室と改名される),マッサージ室,一般理療室が配置され,専属のケースワーカーがいたことには驚かされます.

 このような先進的な取り組みが行えたのには服部部長の存在が大きいのですが,それ以上に九州労災病院初代院長内藤先生の障害者にも社会参加させるという方針は特筆されるべきものです.この考え方がその後に設立される全国の労災病院に大きな影響を与えたことは言うに及ばないことです.そのうえに,この院長は停年後には障害者の作業所所長になられ,その生きざまに感動してしまいます.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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