理学療法ジャーナル36巻1号

2002年01月発行

特集 臨床現場にいかす障害構造・障害分類

WHO国際障害分類改定の経過と今後の課題―ICIDHからICFへ

著者： 上田敏¹²

所属機関： ¹WHO国際障害分類日本協力センター ²(財)日本障害者リハビリテーション協会

ページ範囲：P.5 - P.11

はじめに

　2001年5月22日に第54回世界保健会議（WHO総会）において国際障害分類改定版（ICF）が正式に採択された．その決議文は表に示すとおりである．これまで初版（ICIDH）との関連で第2版はICIDH-2と略称されてきたが，最後の段階でICFという略称が採用され，今後はこの名で呼ばれることになった．

　本論では初版発行以前から現在に至るまでの国際障害分類作成と改定をめぐる動きを紹介し，あわせて今後に残された問題を展望したい．その際，可能な限り理学療法・リハビリテーション医学と障害者の権利実現との関連において述べていきたい．