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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル36巻11号

2002年11月発行

文献概要

特集 超高齢者の骨・関節疾患の理学療法

超高齢者の骨代謝とその異常(オステオポローシス)

著者: 佐々木崇寿1

所属機関: 1昭和大学歯学部口腔組織学教室

ページ範囲:P.829 - P.834

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 骨の老化と骨粗霜症の概念

 骨は骨格系を構成する石灰化した結合組織で,生体の支持器官であるとともに体液の恒常性の調節器官である.骨は常に改造を繰り返し,次のような役割を果たしている.1)骨格は軟骨と200個以上もの骨から構成され,生体の支柱となる脊椎(椎骨)は,頸椎,胸椎,腰椎,仙椎,尾椎の5種からなる.2)運動器としての役割を担うのは,得格筋の付着した長管骨(上腕骨,大腿骨など)や扁平骨(側頭骨,下顎骨など)である.3)脳を収容する頭蓋骨,脊髄を収容する脊椎,肺や肝臓などの臓器を覆う肋骨には,これらの臓器を外力から保護する役割がある.4)骨には大量のミネラル,すなわち生体中の全Ca2+の95%,PO4-の85%,Mg2+の65%,そしてNa+の25%が貯蔵されている.5)骨は生体中で最大のミネラルの貯蔵器官であるが,イオン交換により体液の組成を一定に維持している.例えばCa2+濃度は,血清中で3mmol/l,骨液中(骨組織中の組織液)で1mmol/l,そして細胞内で3μmol/lである.6)長管骨の骨髄では造血(血球形成)が行われているが,個体の老齢化に伴い,造血の盛んな赤色骨髄は徐々に脂肪組織に置換され,黄色骨髄(脂肪髄)となって造血能が低下する.

 骨は肉眼的形態から,長管骨(上腕,前腕,大腿,下腿などの骨),短骨(椎骨など),扁平骨(顎,顔面,頭蓋の骨や肩甲骨),不規則骨(手根骨や腫骨など),合気骨(上顎洞をつくる上顎骨)に分けられる.器官としての骨の基本構造は,外側から骨膜,骨質,骨髄の3組織からなり,長管骨と一部の扁平骨では,これに関節軟骨が加わる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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