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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル36巻11号

2002年11月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法用語~正しい意味がわかりますか?

「運動器」,「運動器」と「感覚器」,「筋再教育」

著者: 岡西哲夫1

所属機関: 1藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校

ページ範囲:P.876 - P.876

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 1.運動器

 運動器とは,解剖学では身体各部の運動に携わる装置として,例えば,骨格筋と骨格(靱帯・関節を含む)というように整然と区別されている.しかし,筋の力が腱から骨に伝えられ,関節運動となるとき,これら運動器は,関節,筋,神経各系統の組み合わせとなって共同して働く.つまり,臨床的には,運動器は一つの機能単位として取り扱う必要がある.例えば,徒手筋力テストはこのような機能単位の働きの成果として発生する関節トルクを測っていることになる.その際,筋力は,筋の骨への附着の位置とか,関節角度変化に伴うモーメントアーム(関節の回転の中心から筋の力発揮方向までの距離)の変化や,筋の長さと張力の関係によって大きく変化する.

 最近は,超音波断層法の開発から,リアルタイムでこのような筋収縮中の筋線維や腱組織の動態を観察することが可能となった.例えば,垂直飛び動作や歩行において腓腹筋の強い張力発揮が見られる相については,腱組織が伸張され筋線維は長さをほとんど変えないで活動する傾向が観察された.この事実から,パフォーマンスの向上は,従来,筋の伸張-短縮サイクルによる筋力増強効果によって説明されていたが,実際は,筋線維は等尺性収縮を維持しながらパワー発揮に有利に機能し,腱組織は伸張とそれに続く短縮による速度発揮に貢献しているものと解釈されている1).すなわち,筋と腱は全体として,つまり筋腱複合体(muscle-tendon complex;MTC)としてパワー発揮,引いてはパフォーマンスに有利な状態をつくり出していると考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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