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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル36巻2号

2002年02月発行

雑誌目次

特集 理学療法に関わる整形外科の最新知見

EOI(essences of the issue)

ページ範囲:P.73 - P.73

 整形外科領域の理学療法では,手術材料や術式の変化によって理学療法の目的や方法および目標設定が大きく異なってきます.整形外科術後の理学療法は,理学療法士誕生直後から学会や研修会でしばしば取り上げられる主要なテーマであり,その内容には格段の進歩がみられます.

 本特集では,整形外科領域における脊椎,肩,手,股,膝関節の最新知見と理学療法について,同一施設の理学療法士と整形外科医との共著によって臨床の立場から分かりやすく具体的に解説していただきました.

脊椎外科と理学療法

著者: 金子操 ,   刈谷裕成 ,   星野雄一

ページ範囲:P.75 - P.80

 古典的なインスツルメントを使用しない脊椎手術では,手術後患部の安定性が確認されるまで安静を保ち,起座・起立に際しては,強固な外固定を用いての離床が図られてきた.術後理学療法においては,ADLに支障をきたす廃用性筋萎縮,起立性調節障害,関節拘縮等を予防しつつ,いかに早期の社会復帰を達成させるかが課題であった.

 20世紀後半,脊椎外科におけるインスツルメンテーションの進歩は,慢性関節リウマチ患者の環軸関節亜脱臼,外傷性の頸椎損傷,変性性脊椎不安定症,脊椎側湾症,腰椎分離すべり症など脊椎疾患の早期理学療法と入院期間短縮を可能にした.これは,手術直後,インスツルメントによる脊椎の良好な固定性を得られることが背景になっており,後療法としての理学療法にも少なからず影響を及ぼした.

肩関節治療と理学療法

著者: 井手淳二 ,   福本和仁

ページ範囲:P.81 - P.87

 近年,QOLが重視されるようになり,肩関節疾患の治療においてもスポーツ傷害など高い肩関節機能の維持と獲得が要求されるようになった.これに呼応して最小侵襲手術が推奨される昨今,鏡視下手術が盛んに行われるようになった.また,デイサージャリー(Day Surgery)に対応する試みにも鏡視下手術が貢献している.

 リハビリテーションも,これに伴い変遷した点もある.術後早期他動運動の基本概念は変わっていないが,鏡視下手術により術後リハビリテーションがやりやすくなり,QOLを向上させる理想的リハビリテーションに近づいている.また,当科で独自に開発した肩用持続他動運動装置(continuous passive motion machine;以下CPM)がこれに貢献している.以下,代表的疾患と当院で行っている治療法を詳述する.

股関節再建術と理学療法

著者: 神戸晃男 ,   西野暢 ,   山口昌夫

ページ範囲:P.88 - P.94

はじめに:

 人工股関節の歴史および概要

 骨切り術などの関節温存手術が適応とならない,荒廃した股関節の再建術として種々の関節形成術が考案され,臨床応用がなされてきた.なかでも,人工股関節(THA)の発展は目覚ましく,現在,全世界では年に約600,000例,本邦では約60,000例ものTHAが行われている.

 人工股関節の歴史は意外と古く,1890年代に象牙製の人工関節をセメントで固定したという報告や,1923年にはSmith-Petersonがガラス製のカップを関節の代わりに挿入したという報告をしている.その他にも,Wiles,Moore,Judetらにより各種人工関節が盛んに開発,臨床応用されてきた歴史がある.現代の人工股関節は1960年代にCharnleyによって開発されたものを原型としているが,低摩擦人工関節(low friction arthroplasty)といわれるCharnleyの人工股関節の出現により人工股関節の術後成績は飛躍的に向上した1)

 その後,セメント使用ステムにおいて,再置換術を行う際にインプラントの抜去が困難であること,若年者での術後成績が不安定であったことなどより,セメントを用いないタイプの人工股関節が再注目されることになり,1980年代より様々なセメント非使用人工股関節が開発されてきた.また,成績向上を目指して,セメント非使用臼蓋コンポーネントとセメント使用大腿骨コンポーネントを組み合わせたハイブリッドタイプの手術が行われるようになった.

 関節の動きを温存しつつ痛みを取り除くことができる人工関節の出現は画期的なものであり,理学療法の発達も相俟って,日常生活は勿論,ショッピング,旅行,またスポーツへの参加も可能となった.その一方で,飛行機のエコノミー症候群で注目されているように,肺塞栓,下肢静脈血栓症など人工股関節置換術の周術期および後療法期での合併症が大きな社会問題となってきており,医師および理学療法士を含めた医療チームの連携が重要となってきている.

人工膝関節置換術と理学療法

著者: 千田益生 ,   高原康弘 ,   森剛士

ページ範囲:P.95 - P.101

 岡山大学における人工膝関節の歴史

 当科における人工膝関節置換術の歴史は,1970年に児玉・山本式人工膝関節を使用して施行したことに始まる.現在では表面置換型人工膝関節が主流であるが,当時は皆無といってよい時代であり,日本人に適した,また骨セメントを使用しない(press-fit)人工膝関節の理念に基づき開発にあたった1).表面置換型の人工膝関節を開発するにあたり,人工関節の安定性は,①膝関節周囲の靭帯,②人工関節の表面の形態,③骨のアライメント(骨切除量と骨切除の方向)を重視して開発を行ってきた.初期の岡山大式A型からはじまりF型まで数回の改良を加えて,1975年より岡山大式Mark Ⅱ型人工膝関節を完成し使用している.その後一時的にセラミック製人工膝関節であるKC-1型人工膝関節を使用したが,1989年からは現在のPCL-R型人工膝関節を使用している(図1).

手の外科と理学療法

著者: 石田治 ,   伊藤義広

ページ範囲:P.102 - P.107

 屈筋腱損傷

 1)背景

 手指屈筋腱はMP関節から末梢では腱鞘内を走行する.腱鞘内での手指屈筋腱縫合は古くから試みられてきたが,術後に癒着して腱の十分な滑走が得られず,満足できる結果が得られていなかった.特に示指から小指においては浅指屈筋腱と深指屈筋腱の2本がMP関節からPIP関節の少し末梢までこの狭い腱鞘内で伴走するために“no man's land”と呼ばれ,屈筋腱縫合を行ってはいけない場所とまでされていた.しかし,1960年のVerdanの報告,1967年のKleinertのゴムバンドによる早期運動療法の報告,intrinsic healingの証明以来,早期運動療法の意義が尊重され,一次修復術が普及してきた.しかし,一次修復が行えても,一定期間外固定すると,癒着形成を避けることは困難で,しばしば二次的に腱剥離術を要していた.そこで早期運動が提唱され,早期運動療法に対する工夫や,早期運動療法に耐えうる,より強固な縫合法の開発によって,自動屈曲を加えた早期運動療法が行われるようになった.

とびら

我がライフワーク

著者: 岩田正信

ページ範囲:P.71 - P.71

 私はいつの間にか50半ばを過ぎた.昭和46年,25歳の時にPTの特例試験に合格してから30年,整形外科的疾患を中心にした理学療法から中枢神経疾患,更に高次脳機能疾患の理学療法への取り組み,病院内での早期リハビリ,亜急性期,慢性期(維持期)のリハビリ,入院・外来医療から在宅医療,デイケア(通所リハビリテーション)へとシフトさせながら日々の業務を行ってきた.

 そこには常に,恩師であり良き理解者である1人の医師(神経内科医,現・理事長)があった.私が師と直接知り合ったのは昭和51年であったが,その後55年から地元の公立病院で内科医とPTの関係で同じ職場で働き,師の理念に私の理念を重ねるようになった.

入門講座 関連領域の基礎知識・2

皮膚科領域

著者: 旭正一

ページ範囲:P.109 - P.113

 皮膚科領域には,極めて多数の疾患があって,概説の焦点がしぼりにくい意味があるが,本稿ではそのうちで,症例数が多い(したがって理学療法の現場でも遭遇する機会が多い)ものとして,湿疹群・蕁麻疹・真菌症の3群を選んで概説し,そのほか疥癬・褥瘡についても簡単に触れることにした.

原著

水位が異なる水中トレッドミル歩行の呼吸循環応答

著者: 前野里恵 ,   藤谷尚子 ,   安藤徳彦

ページ範囲:P.115 - P.118

はじめに

 水中での運動は浮力が作用するため,関節への負担が軽減されたり,水流や運動方向によって自動介助から抵抗運動へと働く.水中歩行はこれらの水の特性を利用して,健康・体力の保持・筋力強化に有用とされているが,呼吸循環器系に対する注意はあまり払われていない.

 最近「水中トレッドミル」が開発され,臨床で用いられつつある.その特徴は,プールと違って自身が水中前方へ移動することがないため体幹前面に流水抵抗がかからない状態で,歩行速度,時間,水位を調節して,エネルギー消費,下肢の荷重量を厳密に行うことができることである.

 我々は,以前の研究で同一速度における陸上トレッドミル歩行と水位剣状突起部での水中トレッドミル歩行とを比較検討し,両者において心拍数を除く呼吸循環応答に差はないと報告した1).実際の治療場面では,上肢の免荷能力低下を伴う慢性関節リウマチ,両側下肢の整形外科疾患に対して,水位の高さを様々に変えることで免荷量を調節し,早期から積極的な歩行練習を行っている.今回は水位の差に着目し,前回の研究1)の水温33℃,9km/hの一定状態と同一条件下で,水位を臍部に設定した方法を加えて前二者と比較し,呼吸循環器系に与える影響について検討したので報告する.

理学療法の現場から

大学病院の昨今

著者: 竹谷春逸

ページ範囲:P.119 - P.119

 浜松医科大学付属病院リハビリテーション部門は,私が1978年着任した当時は特殊診療部門に属していたが,1999年に中央診療部門昇格と同時に助教授が就任し言語聴覚部門を統合,昨年1月にはリハビリテーション専門医が助手として着任し,その年の4月には作業療法部門を開設,5月には作業療法士が配属され,リハ医学会より研修施設の認定を受け,機構的に大きく変わってきた.

 昨今,文部科学省は大学の構造改革,国立大学の大幅削減,独立行政法人化,トップ30大学の育成など次々と新たな方針を打ち出している.この方針の背景には,旧帝国大学の大学院大学化,業績の乏しい大学の統廃合や補助金の打ち切り,予算減額などの意図が見え隠れしている気がしてならない.

学校探検隊

米国・ロマリンダ大学との提携プログラムの紹介

著者: 浅井友詞 ,   對馬明 ,   石橋英恵

ページ範囲:P.120 - P.121

 我が国における理学療法士・作業療法士の養成教育は昭和38年に3年制の専修学校より始まり,現在では4年制大学,3年制短期大学,4年制専門学校,3年制専門学校が共存している.更に学校数も130校を越え増加の一途をたどっているなか,2005年頃には需要と供給のバランスがとれて過剰時代になるともいわれている.そのなかで,修士・博士課程が設置され,理学療法学・作業療法学の体系化が進んでより質の高い教育が求められるとともに,高学歴化が進行している.一方,米国の理学療法士・作業療法士(以下,PT・OT)養成は1946年に設置された4年制大学から始まり,現在では5~6年制,更には7~8年制の博士課程になりつつある.

 そこで本校は世界的視野に立った知識を学ぶ糸口が開けるよう,米国カリフォルニア州にあるロマリンダ大学保健学部(Loma Linda University School of Allied Health Professions)と連携して学士資格取得プログラム(以下,ロマリンダ大学プログラム)を開始した.本稿では,その経過と提携教育の現状を紹介する.

1ページ講座 理学療法用語~正しい意味がわかりますか?

促通

著者: 居村茂幸

ページ範囲:P.122 - P.122

 末梢性麻痺の本質が量的変化であるのとは根本的に違い,中枢性麻痺のそれは運動パターンの異常という質的な変化である.中枢性麻痺に対する理学療法を歴史的にみると,1940年代から50年代半ばにかけて,これまでの筋力増強運動を行うだけでなく,神経生理学的な諸法則を背景に麻痺の治療に役立たせようとする理学療法の理論と技術が体系化されはじめ,様々な理学療法手技が発表された.すなわち,PNF法,Bobath法,Brunnstrom法,Rood法などがそれである.現在,これらを総称してファシリテーションテクニック(facilitation technique)と呼んでいるが,テクニックの内容にはfacilitationのみならず抑制(inhibition)の要素も含まれており,この単語がもつ本来の意味のみとは違うので注意を要する.

 そのためか,近年では神経生理学的あるいは発達学の理論を基礎にした神経筋再教育の特殊な方法として,神経生理学的アプローチ(neurophysiological approach;NPA)とか,神経発達学的アプローチ(neurodevelopmental approach;NDA)とよばれることが多くなっている.

講座 臨床実習指導の創意工夫・2 理学療法のエキスパートを育てる―臨床実習をめぐる私の工夫

実習指導における基本的姿勢―大学医学部附属病院での経験から/肢体不自由児施設における臨床実習指導の工夫

著者: 神先秀人 ,   横井裕一郎 ,   水上八行

ページ範囲:P.123 - P.128

 1.はじめに

 大学病院に勤務するようになり,多くの臨床実習生を担当してきた,平成6年までは対象は1校のみであったが,養成校の急増という社会的要請に応えるべく,平成7年より他の養成校からも実習生を受けるようになった.現在では5校から評価実習,臨床実習それぞれ8名程度がほぼ1年を通して途切れることなしにやってくる.

 一方,指導する側のスタッフは5名だが,3年以上の経験者は現在3名のみである.また,国立の病院といっても,採算を問われる厳しい状況のなかにあり,スタッフ各々が毎日20名程度の患者を担当している.学生にとっては「学ぶ」以上に「使われる」側面を持ち,決して恵まれた環境とはいえない状況である.過去の自分自身を振り返っても決して臨床実習に情熱を注いできたわけではない.したがって,指導体制や教育方法に関して専門的なことを述べたり,指針となるような提言をしたりすることはできない.臨床の片手間に多くの学生と関わってきた者として,自分なりに感じ,工夫してきたことを述べさせていただき皆さんのご批判を頂戴したい.

特別寄稿

ADL評価とそのアプローチ

著者: 鎌倉矩子

ページ範囲:P.129 - P.134

 医学的リハビリテーションにとって,ADL評価とそのアプローチは永遠のテーマである.セラピストにとってはあまりに身近なテーマであるが,世紀の変わり目に,これを基本に立ち戻って考えてみることは意義のあることかもしれない.本稿では,ADL評価法をめぐる歴史の概観,いま我々が手にしている方式についての論考,そして今後のアプローチへの提言を試みる.

プログレス

脊髄再生

著者: 西尾健資

ページ範囲:P.135 - P.137

はじめに

 本誌の読者の皆さんは「中枢神経線維がいったん切れてしまったら二度と元通りに繋がることはない」と考えていないだろうか?皆さんは患者さんに対して,ADLが少しでも改善するようにリハビリテーションをしておられると思いますが,心の中では「基本的にはこの麻痺は治らないだろう.ただ,残された筋肉の廃用性萎縮を防ぐため,あるいは切れた神経線維とは別の神経線維の連絡が少しでも繋がれば……」というような悲観的な考えに支配されていないだろうか?現在,臨床の場で四肢麻痺・片麻痺・対麻痺に苦しむ患者さんたちと直接向き合い,共に戦っておられる皆さんがこのように考えておられるのは当然であり,現実は厳しいものであると思います.

 しかし最近では,「中枢神経線維も再生して元通りの線維連絡を獲得し,正常に近い機能回復も可能である」という夢のような話が現実になりつつあることを,この総説を通してご理解いただき日常のリハビリテーションの一助としていただければ幸いです.

あんてな

脳性まひを持つ子どもの両親の療育

著者: 和田明美

ページ範囲:P.138 - P.139

はじめに

 「私にとって耐える“訓練”はトラウマでしかない.私は杖で歩くことに疲れ,車いすを選んで多くの自由を手にした.」これは最近知り合った脳性まひを持つ女性が語った言葉である.これまで,子どもの運動機能の向上を至上課題に理学療法を行ってきた私には,とてもショッキングな言葉であった.

 私が就職した頃は,「早期に発見し集中して○○法さえ行っていれば脳性まひは改善する」,そんな風潮があったように思う.少なくとも新人の私にはそう感じられ,小児分野で理学療法士として働くには,とにもかくにも技法を習得しなければと思っていた.そして,その技法を通して子どもが良くなれば,本人だけでなく家族も社会も全ての問題が解決すると信じていた.しかしその当時,理学療法を行ってきた子どもたちが大人になっていくなかで,生活力が育っていないために自立が難しかったり,痛みや機能低下などの二次障害に悩まされている実態を知り,また,子どもの成長とともに増える介助負担や将来に関する不安を彼等の親から聞くなかで,私の抱いていた考えは幻想に過ぎないと感じるようになった.

 子どもの障害を治すことのみに精力を注ぎ,両親に多大な負担を強いる療育のあり方は今や省みるべき時期にきていると思う.

書評

Blanche EI, et al.,高橋智宏(監訳)―神経発達学的治療と感覚統合理論―セラピストのための実践的アプローチ

著者: 中川法一

ページ範囲:P.107 - P.107

 「神経発達学的治療と感覚統合理論」と題された本書は,子どもの治療場面で圧倒的に多くのセラピストによって支持されているが,各々が固有なものであったアプローチ法である,神経発達学的治療(NDT)と感覚統合を臨床の場で効果的に組み合わせて使う試みの結果として書かれたものであるとされている.しかし,体系確立からすれば後輩にあたる感覚統合がNDTのハンドリング技術を上手く取り込んだという感は否めない.英国で提唱されたNDTは臨床での疑問を治療技術手法として展開させたが,研究そのものは後に米国で行った.だが,感覚統合は臨床での疑問をまず研究し,理論を根拠に治療概念を導いた,という体系確立の歴史記述表現も極めて米国的であり,ある面ではアメリカンスタンダードとして読むべきである.

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文献抄録

ページ範囲:P.140 - P.141

編集後記

著者: 内山靖

ページ範囲:P.144 - P.144

 第36巻2号をお届けします.特集は「理学療法に関わる整形外科の最新知見」であり,私たちに馴染みの深い,脊椎,肩,手,股,膝関節について,理学療法士と整形外科医との共著によって執筆していただきました.それぞれ含蓄のある実際的な内容で,今日の臨床から役に立つ内容となっています.多忙な臨床のなか,共同でご執筆いただきましたことに厚く御礼申し上げます.

 5本の特集記事は,2本が理学療法士,3本が整形外科医が筆頭筆者として執筆されています.それぞれの立場で微妙に内容の力点が異なっていることに興味と進歩を感じました.それぞれの専門性と独自性がチーム医療のなかで自然と醸し出されているものだと思います.その1つに言葉の使い方が挙げられます.整形外科医の手術療法に対して,理学療法士は術前・術後の理学療法を実践するわけですが,整形外科医は術後の理学療法に“後療法”という言葉を用いています.一方,理学療法士は,術後の“理学療法”という言葉を使用しています.これには表面的な使い分け以上に,その背景に深い思いがあるように感じます.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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