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特集 理学療法に関わる整形外科の最新知見
人工膝関節置換術と理学療法
著者: 千田益生1 高原康弘2 森剛士1
所属機関: 1岡山大学医学部附属病院リハビリテーション部 2岡山大学医学部附属病院整形外科
ページ範囲:P.95 - P.101
文献購入ページに移動当科における人工膝関節置換術の歴史は,1970年に児玉・山本式人工膝関節を使用して施行したことに始まる.現在では表面置換型人工膝関節が主流であるが,当時は皆無といってよい時代であり,日本人に適した,また骨セメントを使用しない(press-fit)人工膝関節の理念に基づき開発にあたった1).表面置換型の人工膝関節を開発するにあたり,人工関節の安定性は,①膝関節周囲の靭帯,②人工関節の表面の形態,③骨のアライメント(骨切除量と骨切除の方向)を重視して開発を行ってきた.初期の岡山大式A型からはじまりF型まで数回の改良を加えて,1975年より岡山大式Mark Ⅱ型人工膝関節を完成し使用している.その後一時的にセラミック製人工膝関節であるKC-1型人工膝関節を使用したが,1989年からは現在のPCL-R型人工膝関節を使用している(図1).
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