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文献概要
原著
水位が異なる水中トレッドミル歩行の呼吸循環応答
著者: 前野里恵1 藤谷尚子2 安藤徳彦2
所属機関: 1横浜市立市民病院リハビリテーション科 2横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター
ページ範囲:P.115 - P.118
文献購入ページに移動水中での運動は浮力が作用するため,関節への負担が軽減されたり,水流や運動方向によって自動介助から抵抗運動へと働く.水中歩行はこれらの水の特性を利用して,健康・体力の保持・筋力強化に有用とされているが,呼吸循環器系に対する注意はあまり払われていない.
最近「水中トレッドミル」が開発され,臨床で用いられつつある.その特徴は,プールと違って自身が水中前方へ移動することがないため体幹前面に流水抵抗がかからない状態で,歩行速度,時間,水位を調節して,エネルギー消費,下肢の荷重量を厳密に行うことができることである.
我々は,以前の研究で同一速度における陸上トレッドミル歩行と水位剣状突起部での水中トレッドミル歩行とを比較検討し,両者において心拍数を除く呼吸循環応答に差はないと報告した1).実際の治療場面では,上肢の免荷能力低下を伴う慢性関節リウマチ,両側下肢の整形外科疾患に対して,水位の高さを様々に変えることで免荷量を調節し,早期から積極的な歩行練習を行っている.今回は水位の差に着目し,前回の研究1)の水温33℃,9km/hの一定状態と同一条件下で,水位を臍部に設定した方法を加えて前二者と比較し,呼吸循環器系に与える影響について検討したので報告する.
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