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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル36巻5号

2002年05月発行

文献概要

新人理学療法士へのメッセージ

「理学療法士になって良かった」と堂々と言えるために

著者: 川島敏生1

所属機関: 1日本鋼管病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.376 - P.377

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はじめに

 理学療法は魅力的な仕事です

 新しく理学療法士になられた皆さん,まずは国家試験合格おめでとうございます.今頃はほっと一息ついていることでしょうが,いろいろと大変なのはこれからかもしれませんね.

 私は中規模な一般総合病院に勤務する23年目の理学療法士です.皆さんのなかには私が理学療法士になった年に生まれた方もいらっしゃるのではないでしょうか.そのようなことを考えると「自分も随分長いこと理学療法という仕事を続けているなあ」と,ふと思ってしまいます.

 新たに理学(作業)療法士を採用するときや,臨床実習に来た学生などに「何故,理学(作業)療法士になろうと思ったのか」と問うことがあります.その答えのなかで「知り合いや家族に障害を持った方がおり,自分も何か役に立てるような仕事に就きたかった」,「自分が病気や怪我をしたときにお世話になって,その仕事をやりたくなった」などが意外と多く,若い割にはしっかりした方向性や比較的仕事の内容を把握している人達が多いのに感心させられます.

 振り返りますと,この私といえば諸般の事情から進学するならば,勤務しながら通える夜間の学校であること,そして何か資格の取得できる学校であること,という条件で学校を選択し,具体的な理学療法業務を全く知らずに理学療法士養成校に進学した次第であります.そのような私が,先輩ぶって皆さんに教訓めいた話や良い示唆を含んだ言葉を贈れるはずもなく,今キーボードを打つ手がずっしりと重くなっています.

 しかし,私のような者が曲りなりにも20年以上この世界で仕事を続けられているのは,もちろん回りの方々に恵まれたことが第一ですが,理学療法が非常に魅力的な仕事だったからにほかなりません.そんな理学療法という仕事に就けた皆さんは本当に幸せ者だと思います.

 私を知っている人達には,「自分のことは棚に上げて…」と言われそうですが,この際自分が理学療法士として大切に感じている臨床・研究・教育について,中年のあつかましさと図々しさでお話しさせていただきたいと思います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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