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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル36巻6号

2002年06月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法用語~正しい意味がわかりますか?

重心

著者: 福井勉1

所属機関: 1昭和大学保健医療学部

ページ範囲:P.437 - P.437

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 「重心」は理学療法士がよく用いる言葉である.定義は「質点系の運動に対する重力の効果を考える場合に,その質点系を構成する質点全部が集中したと考えても運動が変わらないような点で,質量中心と同じ点」1)である.わかりやすくいうと,「重さの中心」と言い換えられよう.立位では骨盤内に位置することは良く知られているが,様々な姿勢ではどこに存在するかわかりにくい.計測機器を用いた場合,一般的には上腕,前腕などというように分節ごとの質量中心の空間座標と分節の質量比率から身体全体の重心を計算することが行われる.身体全体の運動を考える場合,この重心に重力が作用すると考えることができる.重力は地球の中心に引かれる万有引力であり質量に比例する.重心から鉛直下方に伸びた想定線を重心線と呼び,平衡状態にある場合,重心線は支持基底面内を通過する.

 重心は分節質量の空間分布により変化するため,姿勢の変化は必ず重心位置の変化を伴う.例えば立位で両上肢を下制した状態から挙上すると重心は上に移動する.同様に立位で頸部を屈曲すれば重心が下方移動する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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