文献詳細
文献概要
特集 理学療法専門職の管理・運営とリーダーシップ
管理と運営の実践録
著者: 中屋久長1
所属機関: 1高知リハビリテーション学院理学療法学科
ページ範囲:P.477 - P.481
文献購入ページに移動はじめに
筆者の所属する学院は,幼稚園,小・中・高等学校,短期大学を有する総合学園である学校法人高知学園の一つの部門であり,理学療法学科,作業療法学科,言語療法学科を擁する4年制専門学校である.1968年4月,厚生省の理学療法士養成施設として指定を受け,修業年限3年,1学年定員20名の各種学校として開設された.元々法人既設の短期大学の1学科として設置の予定であったが,当時は短期大学に理学療法士養成の設置基準がなく,やむなく各種学校としてスタートした.したがって当初は運営上,短期大学の1学科として取り扱われ,教員の身分,授業カリキュラム,諸行事などは短期大学に準じた運営がなされてきた.法人そのものは創立100年を越す伝統ある学園であり,学校教育に関してはゆるぎない運営基盤があるが,新しい職種である理学療法士の養成に関しては種々の課題が山積みであったようである.
筆者は第1期生として卒業後,臨床わずか3年足らずで学院に教員(助手)として戻り,専門学校の持つ大きな悩みでもある専任教員が少ない状況下で,リハビリテーション医学を含む臨床医学,基礎医学,理学療法学などの外部兼任講師の先生方と授業内容の折衝や時間割の調整など主に授業がスムーズに運営されるためのコーディネータ役を長年行った経緯がある.これは現在でも約80名の兼任講師との間で相変わらず教務部長や学科長が苦労している.本学院は1975年に修業年限を4年に,1980年に専修学校へ,1987年4年制度をいかし通信大学との併修提携,1994年定員を20名から30名に増やし,1995年に作業療法学科,1997年に言語療法学科を増設した.さらに,1998年に所在地高知市の隣市である土佐市に校舎新築移転を行った.筆者は1979~1996年理学療法学科長,1996~1997年副学院長兼学生部長,1997~学院長兼学生部長,1998年~現在まで学院長を経験しており,その間に修業年限の変更,通信大学との併修,学科増設とそれに伴う専任・兼任教員の確保など学院運営に係る事項をその時々の立場で管理・運営してきた.また,土佐市との誘致に関する折衝,移転新校舎建築に関する財源確保などを法人理事会の決議を経て理事長の指示のもとに役割と立場の範囲内で当たってきた.
現在の学院長職は本年3月で2期目(5年)を終え3期目に入っているが,3学科併せて約400名の学生と専任教員23名,兼任講師約80名,事務職員9名,臨時職員2名の管理・運営は,教職員の組織的協力なしでは行えない大変な事柄である.日常業務の管理・運営に加えて私学である以上,法人全体の中での部門運営を考慮した予算配分,特に帰属収入に対する人件費率,教育研究経費比率,管理経費率,借入金等利息比率,消費収支比率などの割合を考慮した配分や将来の財政面の計画なども部門の長としての業務である.
筆者の所属する学院は,幼稚園,小・中・高等学校,短期大学を有する総合学園である学校法人高知学園の一つの部門であり,理学療法学科,作業療法学科,言語療法学科を擁する4年制専門学校である.1968年4月,厚生省の理学療法士養成施設として指定を受け,修業年限3年,1学年定員20名の各種学校として開設された.元々法人既設の短期大学の1学科として設置の予定であったが,当時は短期大学に理学療法士養成の設置基準がなく,やむなく各種学校としてスタートした.したがって当初は運営上,短期大学の1学科として取り扱われ,教員の身分,授業カリキュラム,諸行事などは短期大学に準じた運営がなされてきた.法人そのものは創立100年を越す伝統ある学園であり,学校教育に関してはゆるぎない運営基盤があるが,新しい職種である理学療法士の養成に関しては種々の課題が山積みであったようである.
筆者は第1期生として卒業後,臨床わずか3年足らずで学院に教員(助手)として戻り,専門学校の持つ大きな悩みでもある専任教員が少ない状況下で,リハビリテーション医学を含む臨床医学,基礎医学,理学療法学などの外部兼任講師の先生方と授業内容の折衝や時間割の調整など主に授業がスムーズに運営されるためのコーディネータ役を長年行った経緯がある.これは現在でも約80名の兼任講師との間で相変わらず教務部長や学科長が苦労している.本学院は1975年に修業年限を4年に,1980年に専修学校へ,1987年4年制度をいかし通信大学との併修提携,1994年定員を20名から30名に増やし,1995年に作業療法学科,1997年に言語療法学科を増設した.さらに,1998年に所在地高知市の隣市である土佐市に校舎新築移転を行った.筆者は1979~1996年理学療法学科長,1996~1997年副学院長兼学生部長,1997~学院長兼学生部長,1998年~現在まで学院長を経験しており,その間に修業年限の変更,通信大学との併修,学科増設とそれに伴う専任・兼任教員の確保など学院運営に係る事項をその時々の立場で管理・運営してきた.また,土佐市との誘致に関する折衝,移転新校舎建築に関する財源確保などを法人理事会の決議を経て理事長の指示のもとに役割と立場の範囲内で当たってきた.
現在の学院長職は本年3月で2期目(5年)を終え3期目に入っているが,3学科併せて約400名の学生と専任教員23名,兼任講師約80名,事務職員9名,臨時職員2名の管理・運営は,教職員の組織的協力なしでは行えない大変な事柄である.日常業務の管理・運営に加えて私学である以上,法人全体の中での部門運営を考慮した予算配分,特に帰属収入に対する人件費率,教育研究経費比率,管理経費率,借入金等利息比率,消費収支比率などの割合を考慮した配分や将来の財政面の計画なども部門の長としての業務である.
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