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特別寄稿
21世紀の理学療法に期待すること
著者: 中村隆一1
所属機関: 1東北文化学園大学医療福祉学部リハビリテーション学科
ページ範囲:P.524 - P.531
文献購入ページに移動 21世紀になり,介護保険制度の導入,社会福祉基礎構造改革や医療制度改革の展開など,わが国におけるヘルスケア領域に関係する諸制度が大きく変わろうとしているとき,これからの理学療法に期待することは,その位置づけを問うことではなかろうか.立つべき基盤が明示されて,初めて期待することも言葉にできる.社会保障制度からみればどうか,サービス提供システムや諸施設体系とその連携はどうか,また具体的なモダリティや運動療法,さらにそれらの理論づけとなるモデルと基礎科学…,「期待する」というよりも「どうなるのか」すら予測できない状況である.高齢社会となった今,「健康」に関する人々の関心はいっそうの高まりをみせている.ここで健康とは,世界保健機関(WHO)が憲章前文で定義しているように「単に疾病や病弱ではないというだけにとどまらず,身体的,精神的,社会的に安寧の状態」として思い描かれている.この定義をひとつの伏線にしておこう.
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