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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻10号

2003年10月発行

文献概要

ひろば

障害者スポーツからユニバーサル・スポーツへ

著者: 関根弘和1 西村圭治2 矢吹知之3

所属機関: 1筑波大学大学院人間総合科学研究科 2青森スレッジホッケー教会 3東北福祉大学

ページ範囲:P.882 - P.882

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 2003年2月「第5回アジア冬季競技大会・青森2003」の開催に引き続き,3月に「2003ジャパンパラリンピック・アジア国際障害者スポーツ交流大会」が開催された.アイススレッジホッケー,アルペンスキー,クロスカントリースキーの計3種目に,国内外から約150人の選手が参加した.また延べ300名以上のボランティアも参加し大会を盛り上げた.八戸市が主会場となったアイススレッジホッケーには,韓国ナショナルチームも参加し,熱戦を繰り広げた.私どもはアイススレッジホッケー競技の事務局として,会場設営,参加選手の支援,ボランティアの総括など,大会運営に携わった.会場内に仮設した理学療法クリニックでは,八戸市近郊の理学療法士の有志の皆さんによる理学療法などがボランティアとして行われ,円滑な大会進行にご協力いただいた.パラフォト(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)は,連日の熱戦をホームページ(http://www.paraphoto.org/)で伝えた.

 障害者スポーツ(アダプテッドスポーツ)には,健常者スポーツに障害者が適応する種目と,新たに障害者向けに設けられた種目がある.例えば本大会では義肢を装着して競技に出場する場合のアルペンスキーは前者に,アイススレッジホッケーは後者に該当する.アイススレッジホッケーが,健常者が行うアイスホッケーと大きく異なる点は,スレッジ(ソリ)に下肢が固定され,動作が完全に制限されることにある.これは,例えばサッカーでは手を使えないこと,剣道では蹴りをしないことと同様に,スポーツの競技規則として定められている.この競技規則によって下肢の障害者と健常者との身体的なハンディが少ないアイススレッジホッケーは,障害者が健常人と共存できるスポーツといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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