icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻10号

2003年10月発行

文献概要

理学療法の現場から

医療はサービス業

著者: 永井将太1

所属機関: 1藤田保健衛生大学七栗サナトリウムリハビリテーションセンター

ページ範囲:P.886 - P.886

文献購入ページに移動
 「患者さま,いらっしゃいませ.どちらの科にご用でしょうか?」と,“接客係”が患者を出迎えるサービスを都内大学病院が開始しました(2003.7.22読売新聞より).この接客係は,某有名ホテルでそのために研修を積んできたとのことです.ついに病院でも,ホテルやデパートなどのいわゆるサービス業とかわらぬ“接客”が始まったわけです.読者の皆さまには賛否両論あるかもしれませんが,このような現象はもはや我関せずでは通り過ぎることのできない社会情勢になってきたと考えています.

 医療の世界では,古くからパターナリズム(paternalism)が問題視されてきました.パターナリズムとは日本語では,父権主義や父権的干渉主義と呼ばれています.簡単に言えば,「父親(医療者)は,子供(患者)のためを思ってやっているのだから,父親(医療者)の言うことを聞け」といった人間関係を指しています.1960年代から,米国の医療の現場において患者が医師の権威に盲目的に従う関係が問題になり,患者の権利を求める運動が盛んになりました.特に,医師側の説明義務と患者側の同意の権利が焦点になりました.様々な活動・運動を経て1973年に米国病院協会によって「患者の権利章典」が制定されたのは有名な話です.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?