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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻11号

2003年11月発行

文献概要

講座 行動分析学的アプローチ・2

臨床における行動分析学的アプローチ

著者: 小林和彦1 園山繁樹2 述下守弘3

所属機関: 1筑波技術短期大学理学療法学科 2筑波大学心身障害学系 3広島県立保健福祉大学

ページ範囲:P.985 - P.991

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 理学療法学は,解剖学・生理学・病理学・運動学などをベースとする機能障害学を基礎学とし,主に機能回復や維持のための運動指導,および生活指導などを手段とする一治療技術体系といえる.しかしながら,その臨床におけるアプローチの実際は,手術療法や薬物療法とは異なり,理学療法士による治療手技の提供や患者に対する指導および生活環境の改善といった環境学的な要素が強く,また,その効果に関しても,それら介入に対する行動変容の過程であると捉えられる場合も多い.同様に,その目標となる家庭への復帰や職業復帰といわれるものも,生活環境や職業環境などへの適応行動やそれらの行動の維持といった行動上の問題がより大きな要因であると考えられ,医学的なアプローチとともに行動モデルに基づいたアプローチも必要であると考えるのが妥当であろう.しかしながら,理学療法学の現状は,これら行動変容にかかわる問題を科学的に評価し,介入するためのパラダイムを持ち合わせておらず,その有効性もしくは実効性に課題を残していると言わざるを得ない.

 そこで本稿においては,環境と行動の科学である行動分析学の枠組みから理学療法を捉え,特に高齢者施設における実践から,この領域において環境と行動を科学的に分析することの意義と重要性について言及する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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