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文献概要
特集 「注意」の障害に対する理学療法
「注意」の障害―その評価と介入戦略
著者: 石合純夫1
所属機関: 1東京都神経科学総合研究所リハビリテーション研究部門
ページ範囲:P.1029 - P.1037
文献購入ページに移動注意障害とは
ここでは,臨床的に問題となる注意障害に焦点をあて,「注意」について,外界と個体との関係の中で,意識を適切な対象に集中し,また必要に応じて移動していく過程の総体ととらえる1).
臨床的に頻度が高く症状が明らかな注意障害としては,特定の感覚や機能に限らない幅広い注意の障害を主体とするせん妄と,一側に偏った空間性注意の障害である半側空間無視があげられる.また,外傷後健忘は,意識障害や様々な高次脳機能障害が注意障害と合わせて存在する病態であるが,その持続期間は予後を判断するうえで重要といえる.
ここでは,臨床的に問題となる注意障害に焦点をあて,「注意」について,外界と個体との関係の中で,意識を適切な対象に集中し,また必要に応じて移動していく過程の総体ととらえる1).
臨床的に頻度が高く症状が明らかな注意障害としては,特定の感覚や機能に限らない幅広い注意の障害を主体とするせん妄と,一側に偏った空間性注意の障害である半側空間無視があげられる.また,外傷後健忘は,意識障害や様々な高次脳機能障害が注意障害と合わせて存在する病態であるが,その持続期間は予後を判断するうえで重要といえる.
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