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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻4号

2003年04月発行

文献概要

プログレス

腱組織の役割と適応性

著者: 久保啓太郎1

所属機関: 1東京大学大学院総合文化研究科

ページ範囲:P.312 - P.314

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 筋・腱複合体は,収縮要素(筋線維)と弾性要素(主に腱組織)で構成されている.これまで,ヒトの身体運動における弾性要素の機能的役割に関する研究は,関節角度や床反力などの身体外部から測定されるパラメータを通しての推定が主であった1).一方,腱組織(腱および腱膜)の特性に関する研究は,動物やヒト屍体を用いて行われ,その結果をヒトの身体運動に適用することが一般的であった.しかし,ヒトの腱組織の特性をin vivoで把握することは身体運動のメカニズムの解明のためには必要不可欠である.なぜなら腱組織の形状や機能は,動物とヒトでは異なり,また生体と屍体とでは異なるからである.

 最近われわれは,超音波法によりヒト生体における腱組織の粘弾性に関する測定法を開発した.そこで本稿では,ヒト生体における腱組織の粘弾性の定量化(研究1),トレーニングが腱組織の粘弾性に及ぼす影響(研究2),身体運動における腱組織の機能的役割(研究3),について最近の研究結果を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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