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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻6号

2003年06月発行

文献概要

プログレス

転倒について―バイオメカニズムの視点から

著者: 新小田幸一1

所属機関: 1広島大学医学部保健学科 運動・代謝障害理学療法学講座

ページ範囲:P.517 - P.519

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 高齢者や障害者が転倒にいたるメカニズムには,主に疾病や加齢による身体面の変化に関する内的な因子と,環境条件を主要素とする外的な因子が挙げられる.転倒はこの両因子が深く絡み合って発生する.本稿では最近の報告も紹介しながら,主に内的因子にかかわる転倒のバイオメカニズムについて記述する.

転倒とは

 転倒の定義として,「バランスの崩れやつまずきの結果,床や地面に転ぶか転んでいる状態」としているもの1)から,バランス回復のために,「思わず近くにあった椅子や台に触れた場合」も加えたものまである1,2).このため研究報告などを参照の際は注意が必要である.バイオメカニズムの視点からは,例えば立位動作中であれば,バランスの崩れによって,重心(center of gravity;CG)から下ろした重心線を支持基底面(base of support;BS)内に確保できず,CGが重力に従って床や地面に向かって下降(落下)し,ついには自分の意思とは無関係に,足部以外の身体部位が床や地面と接触した状態になることが転倒といえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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