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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻7号

2003年07月発行

文献概要

特集 物理療法の効果

リウマチ患者の手関節痛に対するビームセラソニックの効果

著者: 山際清貴1 横畠由美子2

所属機関: 1東京女子医科大病院附属膠原病リウマチ痛風センター 2東京女子医大病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.545 - P.548

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 関節リウマチ(以下RA)は,多発性関節炎を主徴とする原因不明の進行性炎症性疾患である.初期には関節滑膜が侵されるが,次第に周囲の軟骨,骨が侵され,進行すれば関節の破壊と変形をきたす.皮下結節,肺線維症,血管炎,皮膚潰瘍などの関節外症状をきたす例も少なくない.経過は,関節炎の緩解・再燃を繰り返す例が多いが,中には完治する例や,急速に進行して著明な障害をきたす例もあり幅広いスペクトラムを持つ.このように,RAは極めて多彩な臨床症状を呈し,特に関節症状は高頻度に出現する.関節症状は,関節および関節周囲の軟部組織などの総合的な所見であり,自覚症状のみの関節痛(arthralgia)と他覚的に明らかな炎症症状,すなわち腫脹,局所熱,発赤を伴う関節炎(arthritis)とに大別できる1)

 RA患者のリハビリテーションに取り組むうえで,関節可動域の改善や筋力強化,および関節保護法を含む日常生活動作(以下ADL)の指導に加え,疼痛の改善も主たる目標の一つとなる.2000年のリウマチ白書2)によると,激しい痛みがあり治らないこと,なにかにつけて人手が必要なこと,冠婚葬祭・近所付き合いができないことの3点がRAの「三大つらいこと」として挙げられており,中でも「激しい痛みがあり治らないこと」はトップを占め,その割合は49.7%にも及ぶ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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