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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻7号

2003年07月発行

文献概要

特集 物理療法の効果

人工炭酸泉の血液動態に及ぼす効果

著者: 森田珠枝1 中嶋正明2 祢屋俊昭2

所属機関: 1国立精神神経センター武蔵病院理学療法科 2吉備国際大学保健科学部理学療法学科

ページ範囲:P.559 - P.562

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 炭酸ガスを含む温泉治療は欧州では古くから知られており,生理機能に対する効果は数多く評価されてきている1,2).近年,日本において1,000ppm以上の高濃度人工炭酸泉を用いた本格的実験は1997年に開始され,1998年4月には第1回人工炭酸泉研究会が発足し数多くの報告がなされ,臨床に活用されはじめている.

 高濃度遊離炭酸ガスを含む炭酸泉浴や高濃度人工炭酸泉浴の生理的作用としては,炭酸ガスの経皮侵入による皮膚潮紅,皮膚血管拡張,皮膚血流量増加,心拍数減少や動脈血圧の低下などが報告されている1,2).臨床においても人工炭酸泉浴が末梢循環障害,褥創などに対し良好な治療効果を持つことは数多く報告され3),人工炭酸泉浴が治療法のひとつとして用いられている.われわれは,高濃度人工炭酸泉浴が深部組織の酸素飽和度を顕著に上昇させることを見いだした4).このような高濃度炭酸泉浴の効果の起こるメカニズムと物理療法への適用の可能性について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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