icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻7号

2003年07月発行

文献概要

特集 物理療法の効果

頸椎間歇牽引療法の効果

著者: 児玉直子1 坂口光晴1 岡本徹1 菅原仁1 中川仁1 金原一宏1 杉山善乃1 太箸俊宏1

所属機関: 1常葉学園医療専門学校

ページ範囲:P.575 - P.580

文献購入ページに移動
 多くの頸椎疾患に対する保存療法手技として,力学的作用を利用した頸椎間歇牽引療法がある.この治療手技は,手術療法のように創の負担がなく,薬物療法のような副作用を引き起こす心配も少ないため,臨床において多用されている.しかし牽引装置の操作が容易であるため,専門的知識をもたない医療従事者による機械操作が日常頻繁に行われている.牽引療法を施行するに当たっては,それぞれの病院により牽引力・時間・姿勢が設定されているが,これらの設定が決定される際に,どの組織に対して,どのような作用や反応が期待されているのか疑問が残る.

 牽引療法は理論的裏付けがなく,簡便さのみの容易な治療行為として漠然と長期的に行われているのが現状である.本来牽引療法は,医師による診察に加え,理学療法士が行う評価をもとに,患者の心因的要素をふまえたうえで牽引力・時間・姿勢などの設定がなされるべきであり,それにより最高の治療効果を得ることができる.牽引療法は理学療法領域において適応が多く,患者の中には症状が軽減したという者も少なくない.多くの病院や施設で牽引療法に携わる医療従事者は,その治療の効果と限界を知る必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?