文献詳細
文献概要
理学療法の現場から
日々の仕事の場にて
著者: 小林暁美1
所属機関: 1海宝病院
ページ範囲:P.686 - P.686
文献購入ページに移動 理学療法士として働いて30年近くたつ.この間いくつかの病院での勤務を経験し,現在は地方の50床の個人病院で働いて3年が経過する.医療制度が変わる中,病院の存続をかけて療養型病床を増築し(一般病棟を含めて50床),1単位の通所リハビリテーションを実施している.もともとは外科の病院であったとのことだが,昔から地域の開業医として近辺の人達に利用されており,入院・外来ともに高齢者が多い.
病院の機能分化により,急性期の医療と慢性期の医療の場が分かれ,地域での病院の役割がおのずと決まった.急性期を診ている病院は,患者さんの状態が落ち着くと一般病院への入院を進めるので,筆者が勤めているような小さな病院へと転院してくる患者さんが多い.特に以前からかかりつけていた病院ということや家族の希望もあって入院する人達が多くなる.これらの患者さんは,病状は重篤な状態を脱しているが,後遺症が残り以前のように生活ができなくなった状態で,特に障害が重度の人達である.さて,当院に転院された患者さんのうち,特にリハビリテーションが必要な方達とお会いして驚くことが多い.それは,急性期に入院していた病院で,病状や予後などの説明がしっかりとなされておらず,本人・家族が理解をしていないことが多いのである.医師は当然説明したと思われるが,本人・家族の理解を得るまでには至っていなかったのであろう.また家族にとっては,退院させられるので「大変だ」という気持ちのほうが先で,まずは次の入院先探しに奔走するのであろう.このような場合,次の病院ではまた初めから説明をすることになるのである.患者さんが一番初めにかかる病院では,その病気・病状・予後などの説明および今後利用できる社会資源を相手が理解できるように伝えてほしいものである.
病院の機能分化により,急性期の医療と慢性期の医療の場が分かれ,地域での病院の役割がおのずと決まった.急性期を診ている病院は,患者さんの状態が落ち着くと一般病院への入院を進めるので,筆者が勤めているような小さな病院へと転院してくる患者さんが多い.特に以前からかかりつけていた病院ということや家族の希望もあって入院する人達が多くなる.これらの患者さんは,病状は重篤な状態を脱しているが,後遺症が残り以前のように生活ができなくなった状態で,特に障害が重度の人達である.さて,当院に転院された患者さんのうち,特にリハビリテーションが必要な方達とお会いして驚くことが多い.それは,急性期に入院していた病院で,病状や予後などの説明がしっかりとなされておらず,本人・家族が理解をしていないことが多いのである.医師は当然説明したと思われるが,本人・家族の理解を得るまでには至っていなかったのであろう.また家族にとっては,退院させられるので「大変だ」という気持ちのほうが先で,まずは次の入院先探しに奔走するのであろう.このような場合,次の病院ではまた初めから説明をすることになるのである.患者さんが一番初めにかかる病院では,その病気・病状・予後などの説明および今後利用できる社会資源を相手が理解できるように伝えてほしいものである.
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