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文献概要
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編集後記
著者: 網本和
所属機関:
ページ範囲:P.734 - P.734
文献購入ページに移動 理学療法の対象領域の多様化が指摘されて長い時間が過ぎた.様々な障害,疾病が対象領域として認知され,それらに対する治療アプローチも多彩になってきている.しかし日々の臨床の中での脳卒中例に対する理学療法の重要性は,このような領域の多様化においてもとりわけ強調されえるだろう.その一方で,主要な疾病であるがゆえにパターン化した治療に陥る危険がないとはいえない.常に斬新な変革が求められる所以である.
そこで本特集では「脳卒中の理学療法の展開」と題して,新しい展開がいくつかの異なった立場から論じられている.まず潮見論文では「評価と理学療法効果」に関して理学療法モデルの再検討がなされている.このなかで特に評価モデルの検討において,脳卒中の標準的な帰結測定指標の全国調査では,国際的に使用されている指標がわが国ではほとんど使われていない,という衝撃的な指摘がなされている.科学的根拠に基づく理学療法を確立するためには「隗よりはじめよ」ではないが,足元の地道な評価から開始すべきであると痛感する.山中論文ではスリングセラピーの極めて臨床的な適用法が紹介されている.環境適応とフィードバックについて示唆に富む論文となっている.山田論文は,「体力科学的」という新しい方法論について,測定機器,筋力,移動自立度,フィットネストレーニングの点から論じられている.運動麻痺が比較的重度な症例の患側脚筋力の測定意義はこれまで報告されていない分野であり興味深い提言がなされている.岩崎論文では,「ドリームブレース」の特性と適応と効果について症例を例示して解説されている.さらなる臨床応用が期待できると思われる.加茂野論文では,新開発された治療的電気刺激である筋電制御型電気刺激システムの紹介とその効果に関する検証が報告されており,筋活動パターンの変化をもたらすという.出江論文では,脳の非侵襲的刺激法である,経頭蓋磁気刺激の基本的特性と片麻痺治療の背景について解説されている.この領域の著しい進歩を実感するに違いない.
そこで本特集では「脳卒中の理学療法の展開」と題して,新しい展開がいくつかの異なった立場から論じられている.まず潮見論文では「評価と理学療法効果」に関して理学療法モデルの再検討がなされている.このなかで特に評価モデルの検討において,脳卒中の標準的な帰結測定指標の全国調査では,国際的に使用されている指標がわが国ではほとんど使われていない,という衝撃的な指摘がなされている.科学的根拠に基づく理学療法を確立するためには「隗よりはじめよ」ではないが,足元の地道な評価から開始すべきであると痛感する.山中論文ではスリングセラピーの極めて臨床的な適用法が紹介されている.環境適応とフィードバックについて示唆に富む論文となっている.山田論文は,「体力科学的」という新しい方法論について,測定機器,筋力,移動自立度,フィットネストレーニングの点から論じられている.運動麻痺が比較的重度な症例の患側脚筋力の測定意義はこれまで報告されていない分野であり興味深い提言がなされている.岩崎論文では,「ドリームブレース」の特性と適応と効果について症例を例示して解説されている.さらなる臨床応用が期待できると思われる.加茂野論文では,新開発された治療的電気刺激である筋電制御型電気刺激システムの紹介とその効果に関する検証が報告されており,筋活動パターンの変化をもたらすという.出江論文では,脳の非侵襲的刺激法である,経頭蓋磁気刺激の基本的特性と片麻痺治療の背景について解説されている.この領域の著しい進歩を実感するに違いない.
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