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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻9号

2003年09月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法用語~正しい意味がわかりますか?

関節可動域制限

著者: 木山喬博1

所属機関: 1名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.783 - P.783

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 関節可動域はrange of motion(ROM)の訳語で,関節の動く範囲と定義される.関節可動域(ROM)制限とは,関節の動きに関与する組織の病変によりROMが狭くなった状態と定義される.ROM制限にかかわる用語に,関節拘縮,強直,変形などの専門用語がある.「生理学」での拘縮(contracture)の定義は,通常活動電位を伴わない,持続の長い,伝播しない,膜の持続的分極で生じる可逆的収縮である1)(筋肉の状態を示す用語).「病理学」では記載が乏しい.「整形外科学」関係では,拘縮とはROM制限を生じる関節包外の軟部組織の病変と定義し2),「リハ医学」関係では拘縮とはROM制限を生じる関節構成体以外の軟部組織の病変と定義している3).関節包外軟部組織と関節構成体以外の軟部組織の定義が同じでないことは問題で,関節包内組織と関節構成体組織とに共通した定義をすれば混乱はなくなると思われる.

 関節拘縮,強直,変形の原因は先天性のものと後天性のものとに大別されている.関節拘縮に限れば,①筋性,②結合織性(筋膜,靱帯,腱など),③関節性(関節包,滑膜など),④皮膚性,⑤神経性など,組織別に分類されている.①~⑤の組織に短縮や伸展性低下などの問題が起きるとROM制限を生じ,動作能力障害を伴うことが多い.拘縮関節のROM運動や周囲組織のストレッチなどは理学療法の重要な手技の一つである.関節拘縮は理学療法の対象であるが,関節強直や変形は理学療法の対象ではなく,医師の治療対象である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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