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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル37巻9号

2003年09月発行

文献概要

理学療法の現場から

理学療法記録に思うこと

著者: 湯元均1

所属機関: 1時計台病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.786 - P.786

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 近年,医療訴訟に関するニュースをよく目にするようになった.この背景には,複雑化・高度化する医療事情の他,治療を受ける患者側にも医療に関する関心が高まり,一緒に治療に参加するといった意識の変化ということがあると考える.また,訴訟に関する変化としては,以前は患者側が医療側のミスを証明することを要求されていたが,近年は医療者側が医療ミスのなかったことを証明しなければならないといった変化もその背景にあると考える.

 以前に耳にした話であるが,ある病院で真夜中に患者が窓から転落し死亡するといった事故があった.家族側は,ベッドが窓のそばに置かれていたため,開いていた窓から誤って転落したとして病院側の安全管理ミスがあったと主張し,訴訟が起こされた.しかし,病院側は,やや雑記帳的な内容であったが詳細な患者の心理状態や言動が記載されていた看護記録(状況的に鬱状態であると判断される内容),当夜は気象庁への確認で雨であったという事実,および準夜帯の見回り時に窓が閉まっていることが確認されていたという証言などを提示した.これらより,本人が故意に窓を開けなければ転落しなかったとして,病院側には安全管理ミスがなかったとの判断が下された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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